アンドレ・ユック

アンドレ・ユック
元々は自分達が消費するためのシャンパーニュでしたが、1936年に創設者のアンドレ・ユックとその家族が、商業用にシャンパーニュを造り始めました。彼は真のブドウ栽培者でありブドウ畑の仕事、農業をとても楽しんでいました。1955年にロジェ・ユックがブドウ栽培者、農業者として後を継ぎ所有しているブドウ畑のなかでも特に良い区画に苗を植えたり、現代的な醸造技術を発展させたりするなどし、活躍しました。1973年から現当主のアンドレ・ユックが3代目としてメゾンを切り盛りしています。彼は、主にブドウ畑での仕事を担当しています。彼は、父のロジェとともに畑を増やしていき、シャンパーニュ・ユックのスタイルには欠かせない存在になっています。繊細でエレガント、洗練されたシャンパーニュはテロワールとアンドレの人柄がそのまま表れています。彼は、ムニエという品種と樽熟成の2つに関してとても力を入れています。彼はまた、伝統的な方法に戻りながら現代化のパラドックスと向き合っています。 キュイルは、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの中心に位置する150人ほどしか住民のいない小さな村です。この村は、一層目:砂地質、二層目:緑粘土(イライト)、三層目:粘土石灰質といった、ムニエを栽培するのにとても適したテロワールを持っています。 通常、ヴァレ・ド・ラ・マルヌの地質は純粋な粘土石灰質です。緑粘土の地層は、このキュイルと他二つの村のみです。この緑粘土イライトは、美容のためによく使用され、このタイプの粘土質は養分をたくさん含んでいます。この地質は白亜質土壌よりもよく水をとどまらせ、粘土石灰地質より、少ない水でブドウを栽培することができます。 一般的には、ヴァレ・ド・ラ・マルヌは降水量が少ないと言われていますが、そのなかでもキュイルは特に少ないため、ムニエの栽培のためにとても適した土壌と気候がそろっており、キュイルはムニエのためのテロワールと言われています。 ビオディナミでブドウ栽培をしています。その一例ですが、除草を行わず草が生えた状態で馬を使い耕作します。また、プレパラシオンといったビオディナミ特有の「牛の角に詰めた牛糞」や「牛の角に詰めた水晶の粉」といった調合剤を使用し化学製品の代用として月の満ち欠けに合わせて煎じ薬を使用しています。醸造過程では最低36ヵ月は瓶で熟成。テロワールの味を守るため、醸造において手を加えることを減らしています。 例えば、自然冷却、デゴルジュマン時の亜硫酸塩の無添加、ドサージュの減量、印の無いコルク使用などを行っています。 自然と環境に敬意を払い電力を使用しない。雨水の利用。源泉から水を引いている。井戸による自然の換気。洗浄水の回収。当主の完全なる自然へのこだわりが完璧な自然派シャンパーニュへと繋がりをみせています。ムニエの底力を見せてくれ、ビオ・シャンパーニュの元祖と言われている生産者です。
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